ブラックホーク その2 「この世のデーヤモンド」
「ブルース・コバーンの前でソーラン節を歌ったという話」
1977年、カナダのシンガーソングライター、ブルース・コバーンとマレー・マクロクランの初来日コンサートライブを、またまた渋谷の、パルコ(たぶんそうだったと思う。ジミー・クリフもパルコだったし…関係ないように思えるが、オレの中ではつながりがある)で観た。
コンサート当日の夜、交流会(いいなあ、この響き)が、おなじみブラック・ホークで行われるという情報が入り、なんとうまく参加できたのだ(なぜもぐりこめたのか。今は奇跡のように思えるけれど、残念なことに詳細は覚えていない)。
さらに、よく覚えていないのだけど、小さい喫茶店の中でブルースとマレーがいくつかのテーブルを回ってくれたような気がする。というのも、同じテーブルで二人と話をした記憶があるからだ。
そのときオレは二人の似顔絵をスケッチブックにクレヨンで描いていた(どうもいつもの癖でかっこつけてたらしい)。それを見て、二人ともがサインをしてくれた。そこで舞い上がったオレは、ブルースに向かって「Japanese song!」と言うなり、ソーラン節を一節歌ってしまったのだ。
人生には思い出したくない場面がいくつか人にはあるものだが、間違いなくこれはマイベスト10に入るシーンだ。なんで歌っちゃったのかなあ。それもなぜソーラン節だったのか。国際親善か!
おまけにマレー・マクロクランに呼びかけるとき、あまりにも英語に堪能なボクは、「ヘイ!」と明るく呼びかけてしまったのだが、このときのマレーのむっとした顔も忘れられない。
この記念のスケッチブックはわが家のどこかにあるはずなのだが、きのう思いついて探してみたら残念なことに見つからなかった。たぶん、という場所があるのでそのうち 探してみようと思っている。出てきたアカツキにはここにアップします。見たくないといわれても、どうでもいいといわれても。あ、ソーラン、ソーラン、はいはい。
さて、これは何でしょう。
これはブルース・コバーンの作品の中でも一番好きな宝物のような1枚『Salt, Sun and Time』(1974) だ。こちらはカナダ盤のジャケット。両手の人指し指と親指の指先で作ったダイヤモンドの中に、海に浮かぶ船が見える。このカナダ盤のジャケットは絵だが、写真で撮るとどうなるか、試してみたのが最初の写真。
絵だと指も船も焦点があっているけど、写真はそうはいかない。写真のプロの方なら、何か特別な方法を知っているかもしれない。
このジャケットがとても印象的なのだが、オレの持っているのは日本盤のほうで、 ジャケットはこちら。
彼のやさしい表情もいいけれど、ジャケットとしてはカナダ盤に軍配。
なお、彼はこのジャケットのメガネと同じメガネを当日もかけていた。「same glasses!」と言ってはしゃいだアホが近くにいた。今も比較的近くにいる。こっちも相当恥ずかしい。
『この世のダイヤモンド(All the Diamonds in the World)』は、このアルバムの中でも一番好きな曲だ。A面の1曲目。