「解体せよ」とアイラーは言った…か?
渋谷駅の南口を出て歩道橋を渡ったところにメアリ-・ジェーンという
ジャズ喫茶があった(今でもあるはずだ)。学生時代2食を1食にして
小遣いをため、たまに行っていた(バイトもしないダメ学生だった)。
独特の暗い感じで、まあカッコつけていたというわけだ。
フリージャズの洗礼を受けたのも、まずここだった。体調のいいときは
確かに体のどこかで確かに「破壊せよ」「解体せよ」という声がどこからか
聞こえたような気がするが、錯覚だったかもしれない。まあ、ほとんどは
Rejoice』1枚だけだ。
以前、聞いたことがあって気になっていたのだが、アイラーがフリーフォーム
でなくゴスペルだけを吹いているレコードがあるらしい。世の中がLPから
CDになったころに、レコード屋で調べたことがあったが見つからず、そのままに
なっていた。
なんでだったのか、それを突然今頃思い出した。調べてみたら、それはLPの
時代では『Swing Low Sweet Spritual』、
タイトルになっていた。
きた。聴いてみたい。今から40年以上も前のアルバム。入手の方法はないものか。
なぜ、こんなに聴きたいと思うようになったのか。思い当たる節の一つや二つ、
実はある。しばらく教室にまで通ったのに今は眠ったままでいるテナーサックスが、
わが家にあるせいかもしれない。周りを気にせずもういちど吹いてみたい。田舎も
建て込んできて、なかなか思い切り音を出せる所がない。