RIKI舎―雲とマンサク

写真と音楽と身の回りのことなど(消えたYahooブログ「RIKI舎―陶をめぐる日々」から引っ越してきました)

ニール・ヤング 『Living with War』

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 正確にはきのうになってしまったが、15日は敗戦(あえて敗戦という)の日。「参拝」のことばが「産廃」に聞こえてならない1日だった。誰も見て見ぬふりの厄介な問題だが、どちらも目をそらさずきちんとカタをつけなくてはいけないところが、よく似ている。

 誕生日のプレゼントで妻からもらったCDはニール・ヤングの『Living with War』。
解説によれば、思うところあって2週間で一気に録音したらしい。クレージー・ホースは参加していない。そのせいか、「爆音」との触れ込みだったわりに聞きやすい音で、なかには日本のGSやマカロニウェスタンの映画音楽を思い出させるような曲調のものまであった。
 しかし詩はストレートに、戦争やブッシュ政権への批判・アメリカ国内の問題などが歌われている。
日本では、ここまで書くと放送禁止になりそうな内容だ。イラク戦争開戦時には守りに入っていたアメリカだが、今回のニール・ヤングのCDはなぜ禁止にならずにすんだのだろう。これもアメリカの懐の深さなんだろうか。ニール・ヤングはインタビューに答え「言いたいことをいえるのが自由なんだよ」と言っているそうだ。

 RIKI的に言うとこの中のベスト・トラックは9曲目の『Roger and Out』。メロディーラインが『Helpless』に似たニュアンスで、余韻を残す曲だ。
 なぜか映像的にジェームス・テイラーが30年以上前に出演した映画『Two Line Backtop』(日本名は、笑ってしまうが『断絶』という)を思い出した。ベトナム戦争が背景にあったのか、飛ばし屋の若者が走り専門にボロ車をチューンナップして、ハイウェイを流していてレースを挑むというような空虚な印象の映画だった。でも、なぜか忘れられない。
 『Roger and Out』の「争いあって飛ばす2台のカマロ。今日はあたりに君の気配がする」という詩の意味するところは、たぶん戦場で死んだ友達のことを歌っているんだろう。

 でも、10曲目の『America the Beautiful』(美しきアメリカ)は要らなかった気がする。