RIKI舎―雲とマンサク

写真と音楽と身の回りのことなど(消えたYahooブログ「RIKI舎―陶をめぐる日々」から引っ越してきました)

番外編 『木綿のハンカチーフ』考

 J-Waveでいま、『100年後に残したい曲』というキャンペーンをやっている。先日聞いていたら、今注

目を浴びている現代美術作家の束芋が挙げていたのが『木綿のハンカチーフ』で、へえ、と思った。その

あと、「曲は知っていたけれど、詞はあまり意識していなくて、今度初めて意識して聞いたらとてもよか

った」と言っていた。束芋ならもっとクールなヒップポップ系を好む?という思い込みがあったので、意

外だった。
 
 『木綿のハンカチーフ』はRIKIと同世代の太田裕美が歌った曲だが、これは地方から都会へ出て行く

話。話はそれるがイルカの『なごり雪』は東京生活を諦めて故郷に戻る話で、これと対を成しているかの

ようだ。あの時代をリアルタイムですごした者としては、あの大いなるセンチメンタリズムにも、オヤジ

的な気分で涙腺も緩みがち(ウソウソそれはない)。
 
 そんなことを考えながら風呂に入っていたら、ふと、親父が口ずさんでいた春日八郎の『別れの一本

杉』を思い出した。あの曲も確か好きな娘を故郷に残し、都会に出ていく歌だったなあ。
 
 片や政治の季節のあとのちょっとシラケぎみな(輝ける70年代という話もあるが)時代、地方から出

て行ったのは進学のためだったろうが、一本杉のほうは、昭和30年というと生活のため次男・三男坊が田

舎を後にせざるを得ないという状況だったろう。

 そして、今の時代も同じように繰り返されるものがあるんだろうか。あるとすれば、どんな曲なんだろ

う。RIKIの子どもたちは家を出るとき、二人ともあっけらかんと出て行ったようにみえたが…。


 RIKIは都会の絵の具に染まってしまいました。みっちゃん、ごめん!