RIKI舎―雲とマンサク

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ローラ・ニーロ 『The First Songs』

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 ローラ・ニーロのWedding Bell Bluesを初めて聴いたのは、中学生のころ。ラジオから流れてきたピア

ノのイントロ部分を聴いたとたん、忘れられない存在になった。黒人音楽をルーツに持つあのメロディラ

イン・声・ピアノの音・ニューヨークの空気と早熟な少女を思わせる詩――何もかもがピッタリきて、まさ

にこれだと思ったのだ。以来、あの出だしのところのフレーズは、ピアノで和音を探しながら真似して何

度も弾いたものだ。

 『The First Songs』は、1967年デビュー当時の『More than a New Discovery』を、アルバムタイトル

やジャケットさらには曲順も変えて6年後に出したものらしい。すべてが自作曲で、この時代に女性がこ

こまでやるのはとても珍しく、新しい時代の作り手というイメージで受け止めた。

 Wedding Bell Bluesのほかには『Stoned Soul Picnic』や 『And When I Die』が初期のヒット曲とし

て有名だけれど、それ以降のスマッシュヒットは聞かない。世間的には、『Gonna Take a Miracle』が

いちばんのベストじゃないかと言われているようだが、RIKIとしては、プロデューサーとアレンジメント

など作り方で意見が分かれたというこの第1作が、聴いたなかではベストだと思う。本人の主張をソフィ

スティケートさせた分ポピュラリティーが出て、音をまるくさせ、結果的によくなっているように思う。

バックのブラス・アレンジなどに、ヒッピー・ムーブメントが来る前の、60年代の懐かしい音が残ってい

る気がする。

 ローラ・ニーロが亡くなって、もう10年になろうとしている。秋の夜に聴いてみたい1枚だ。