RIKI舎―雲とマンサク

写真と音楽と身の回りのことなど(消えたYahooブログ「RIKI舎―陶をめぐる日々」から引っ越してきました)

ヴァン・モリソン: 太っちょおじさん現る

      
      https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rikishapottery/20190805/20190805194549.jpg      Live at the Grand Opera House - Belfast




      https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rikishapottery/20190805/20190805194552.jpg      Irish Heartbeat





      https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rikishapottery/20190805/20190805194557.jpg      Avalon Sunset




      https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rikishapottery/20190805/20190805194600.jpg      Hymns to the Silence




 奇しくも80年代の終わりから90年代の初めにかけての4枚を選んでしまった。

まあ、好きな4枚ということで。最初の2枚がLPで、あとの2枚がCDだ。このあたり、

つまりIrish Heartbeat のあたりが、RIKIにとってのLPからCDへの移行期にあたる。



 学生時代、(例によって)渋谷の郵便局に向かって坂を上って行く途中、道を左に

入った路地の雑居ビルの2階に、「Honky Tonk」(袋が青地に白のラインだったような)

という小さなレコード屋があって、時々顔を出していた。

 そこの無口で地味な店員のお兄さんと、何でだったかヴァン・モリソンのことで、

二~三言、言葉を交わしたことがあった。店内の客はオレ一人。

 「最近のヴァンはゼムのころから比べると、流して歌ってるよな」

 普段は地味な人が、ちょっと激昂したような口調で言ったので、オレは少しひいたんだ。

 本当のことを言うと、オレはそのときゼム時代のヴァン・モリソンを聴いたことが

なかった。仕方がないので「へへへ」と笑いでごまかしたら、「何だ、こいつ知ら

ないのか」という顔をされて、会話はそれっきりになった。それでオレは何も買わずに

来たか、そのとき聴き始めていたトラッドのLP、ディック・ゴーガンの


『Coppers and Brass』      https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/r/rikishapottery/20190805/20190805194604.jpg      

をこのとき買ったんだか、よく覚えていない(でも、このLPもなかなかよかった

(写真はCDのもの。オレが持っているのはLPで、真ん中の斜めの部分がジャケット。

地味なギターだけど、味があって誠実さを感じさせる。名手というか職人という感じ)。

たしかあれは曇った冬の日だった。

 そのあと、バンドの『The Last Walts』のビデオで、『キャラバン』の最後に

踊り跳ねつつ舞台の袖に去っていく様を観て、「ヴァンおじさんなかなかやるじゃん」

つうことで、よく聴き出した。

 ヴァン・モリソンの声は、ベルファストかダブリンあたり(オレは行ったことが

ないんだけど。ハハハ)、黒ビールを出すパブの、古いけどよく磨きこんだ年代ものの

カウンターって感じか。アルコールがダメなオレが言うのも笑っちゃうけど。

でも一方で、荒れ野に吹きわたる内省的な風も思わせる。

 不思議な人だ。