幻のユリ根うどん
写真は、今年初めて開催された中之条ビエンナーレのもの。町のあちこちにアート作品が
展示され、観客はスタンプラリー方式で好きなところを好きな順番で観ていく。
下がっているのはけっこう大きな石。
ちなみに、ここに写っているのはオレとその関係者…ではありません。念のため。
写真の方、後ろからすいませんでした。
実は、11ヵ所ある会場のうち、回ったのは3ヵ所だけ。なにしろ朝11時に家を出て、
こだまの散歩に間に合うよう夕方5時には帰ってきたという、「強行軍」(いつもの
とおり朝が遅い。へへへ)だったもんで。
行われた町。オレの両親が、新婚時代に住んでいた町らしい(パチンコ屋の2階だったと
聞いた)。オレはまだ生まれていなかったころの話だが。
展示はそれなりに興味深く面白かったけど、とにかく昼飯にありつくのが大変だった。
山の会場付近は1軒きりの蕎麦屋がいつになっても満員で、ここんとこ腹が減ると極端に
機嫌が悪くなると指摘されているオレは(これも老化のせいか)、何しろ待つということが
できずに飯を求めて車を走らせた。が、店は見当たらずコンビニの握り飯は売り切れ。
と、「ユリ根うどん ○○の家」という大きな看板を発見。よし、これで行こうと思い
を定め、看板目当てに走り出した。くねくね道が二股に来ると、必ず「ユリ根…」の看板
が立っている。ホントにこれがいいところに立っているんだ。まだ見たこともないユリ根
うどんが、今や頭の中ではうまそうな湯気を立てている。オレは、例の宮沢賢治の『注文
の多い料理店』を思い出してしまった。この看板はオレたちをどこまで連れて行こうとし
てるんだろう、なんてね。
ようやく「○○の家」とおぼしきところに到着。が、まてよ、人気がない。駐車場と
思われるところには「休業中」の張り紙。…よくあるんだよな、このパターン。頭の中が
空白になりもはや選択肢を持たないオレたちは、ボーっとしながら結局もとの蕎麦屋近く
に舞い戻った。
すると農産物を売る小さな店の奥に食堂「くろちゃん」を発見。おばちゃん一人で両方
すると農産物を売る小さな店の奥に食堂「くろちゃん」を発見。おばちゃん一人で両方
やっている店だった。オレたちは、ようやく飯にありつける嬉しさで天ぷらうどんと天ぷ
らそばを頼んだ。が、おばちゃんは実に実にゆっくりとていねいに料理を作り、売店の品物を
売っている。
このあとオレたちの天ぷらが揚げられ、テーブルに届くまでには、まだまだ時間がかか
このあとオレたちの天ぷらが揚げられ、テーブルに届くまでには、まだまだ時間がかか
るのだったが、この後はやめておこう。セルフサービスのお茶も、ポットのお湯がなくなって
ロクに飲めなかったのだが、文句を言う筋合いじゃない。もうひたすら感謝だった。揚げたての
季節の野菜とたて半分にカットしてはあったがホンモノの海老の天ぷらがついて、600円。
くろちゃんありがとう。
ということで、アートに触れていた時間はものすごく短かった1日だったのさ、実は。
そういえば、きのうNHKで観た仙台のストリートジャズフェスティバルの様子も面白
そうだった。
ああいうのもいいなあ。観るだけじゃなく参加のほうで。
アートもいいけど、音楽もいいよなあ。