悲しきビンテージ
こだま愛用の無印ソファはまた娘のところに行ってしまったので、こだまはこのところ
所在なくウロウロすることが多かった。こだまの居場所もないことだし、またソファっ
ちゅうもんを買おうじゃないかということになって、決めたのがこれ。
ご存じ「お値段以上○トリ」のもの。わが町にできたのがつい最近の話。まだ3回
しか行ったことがなかったのだがここので決めてしまった。ほかに見るところもないし、
北欧は遠いし(ヘヘ)、まあ予算もあるしね。たしかにいいのは欲しいけどさ。
ということで色はこのこげ茶1色だけ。大きさも「ビンテージ」(すばらしすぎる商品名
がついていた)というだけあって、2人がけにしちゃ、でかい。どこかの組の事務所に
ありそうな、非スタイリッシュなソファだ。「本皮」と銘打っていながら、実は皮はよく
見えるところだけ(皮と合皮の割合は1:3くらい。まあ、座ってみると案外気持ちいい
かな。このデザインにした一番の決定打は、「こだまが頭をのせるのにちょうどよい高さ
の肘掛け」なのだった。
しかし…いざ置いてみたら、わが家が狭い。お値段以上は「大きさ」だった!
配達のおにいさんもお値段以上の「すごくモテちゃいそうなかわいいおにいちゃんだった」
…ウチの奥さんは言っていた。オレにしてみりゃ若い女の子が3人くらいで持ってきてくれた
ほうが…(セクハラ発言すみません)。しかし、持ってきたその数分後に、配達作業員の作業態度
について探るような「アンケート」の電話が来たのだという。この監視社会。なんだなんだ?
これじゃ若者も自由に働けまいに。
貧乏人らしく、こだまがツメを立てたりかんだりしないように布をかけてみたが、こだまが
つるりつるりとすぐに落ちるため、かけた布をはずしてみたり、座布団を置いたりとってみたり。
写真のこだまもなんだか落ち着かない顔つきだ。結局カバーはかけるか否か、庶民レベルの論争を
展開中。いいアイデアがあればお寄せください。
だいたいオレの生活にソファなんぞは必要なかった。最初はどうしても娘が欲しいというので
買い、こだまが来てからはこだまの居場所になった。今回はこだまのことを考えて選んだつもり
なのに、こだまはあまり長い時間ここにいない。「ああ、傷がつくんじゃ…」というこちらの内心の
ビビリを察知したのかもしれない。
でも、たまにここで昼寝するのは気持ちがいいかも。ああ、こうやって百年前から知っていた
ような顔して生きていくんだ…。