元気が出る赤い色
10年以上経った玄関ドアが、汚れて
傷んできたので、塗り直すことにした。
雨風を受けて黒ずんできたので、全面にサンドペーパーをかけてきれいにした。何時間かかけて
丁寧にやって、そのあとさらに乾いた布でよくこすった。写真だとこのままでもよさそうに見えるけど、
何も塗らないとすぐに元に戻ってしまう。
ということで、この間悩んでその結果決めた
のが、この色。なぜこの色になったかというと、
うちに全部材料があったというのが大きな
理由。つまり焼きものに使う酸化鉄、
ベンガラを使ったのさ。
うちにあったなたね油一番搾りにベンガラ
をよく練って混ぜあわせ、これをコシの強い
刷毛で塗った。もともとオイルが塗って
あったので、あまりなじまない場所が
あったり、ちょうどこのとき野口さんたち一家がやってきて、陽は照っていておまけに風も
吹いていたもんで「ああ乾いてしまう」と気持ちが焦ってあまりうまく塗れなかった。女房には「なんで
こんな日に塗りだした」と、あとで言われたのなんの。言われてみりゃ確かにそうなんだけどさ。
そのベンガラを塗って約10日、落ち着いてきたところで2度ほどカラ拭きをした(赤い色が落ちる)。
定着のため、さらに上に柿渋を塗った。外壁のときは2倍希釈だったけど、これは原液を塗った。
どうかな、いい色になったかな。実はよく見るとムラがあるし、誰かのツメあともみえるんだけどね。
でもこれだけ手をかけたら、ショボイけど愛着も湧く。
この鮮やかなトウガラシは、織をやっている春ちゃんの労作。1本1本丁寧に、塗ってじゃなく縫って
ある。こっちも元気が出るかわいい赤だ。
アスパラガスも紅葉する、という写真を撮っていたら(その前の茶色はシソ)、アスパラの陰に
なにやらもの言いたげなまなざしでこっちを見ている生きものがいる。この生きもの、鳥が突っついて
落とした柿のご相伴にあずかろうと、最近は木の下をうろうろしている。
この何日か前、この柿の木のてっぺんで、モズが「オレの陣地だ」宣言をしてしばらく滞在していた
のを見た。だいぶ楽しんだ柿も、いよいよ終わりだな。