旅の重さ
扇風機にあたってなごんでいる犬。あれ? 扇風機嫌いだったんじゃ
なかったっけ? こだま。
同世代くらいの人なら一度は「素九鬼子(もと くきこ)」という名前を聞いた
ことがあるだろうか。『旅の重さ』を読んだときは、その原稿が世に出るまでの
経緯が巻末に示されてはいたけれどそれ以上のことはまるでわからず、
どんな作家なのかとてもミステリアスだった。素九鬼子名で出された5冊の
うち4冊を買ったほどひかれたし、その後も折に触れ素九鬼子の名を思い
出しはしたものの、あまりの情報の少なさにそれ以上思いが先に進んで
いくことはなかった。
それがこのネット社会が進んだおかげでわずかながらも情報が得られる
こととなった。やっぱりコアなファンが着実にいたんだな。(興味がわいた
人は検索してみてください。すぐ出てきます。)
このサイトによると、残念ながら素九鬼子さんはもう書いてはいないらしい。
読了後に味わったあの不思議な感覚をもう一度味わってみたくて、買い
逃した1冊をアマゾンの中古で見つけ早速注文。これで5冊全部がそろった。
順番に読み直すのが楽しみだ。『旅の重さ』、高橋洋子に高橋悦史。映画も
よかったなあ。
…とせっかくいい気分に浸ろうというときに、どっかの国では戦争の準備を
万端固めるらしい。やめてくれないかな、あべちゃん。明日は山開きだぜ。
富士のお山も泣いている。