スパイラル・ステアケース 『More Today than Yesterday』
何しろジャケットがすごすぎる。このアルバムを店頭で見たのなら絶対買わな
かったな。日本のグループ・サウンズでも、こんなダサい格好はしなかった。
でも、夏のはじめの土曜日の朝、朝飯食いながら聴いていたゴンチチの番組
で出合ってしまったのだ。
「え、最近はこういうのが流行ってるわけ? いい傾向だな」と思った
んだけど、やっぱり違っていた。もとは1969年発表のアルバム。ビートルズの
エルビス・プレスリーの『イン・ザ・ゲットー』がトップ3を占めていた頃と
いうことだ。聴いたのは、その2006年リマスター盤。
聴いてすぐに、山下達郎の『パレード』はこれか!、やっぱりみんなお世話に
なってるんだと思ったくらい…(あと、アイズレー・ブラザース)。
急ごしらえとみえるこのジャケットには引いた。そして思わず微笑んでしまった。
お揃いの青いジャケット、わきに模様の入ったアイロンあとの付いているような
パンツ、先のとがった白い革のブーツ。写真を撮ったのは近所の裏山か?
何しろ田舎の高校生だったもんで、リアルタイムでは全く知らなかった。
40年くらいあとになって初めて出合って、思わずひきつけられた。
タイトなリズムに、あまり表に出てこないブラスのアレンジメントが、
タイトなリズムに、あまり表に出てこないブラスのアレンジメントが、
ポップとロックの中間をいったような良さを醸し出している。60年代後半の
特徴かな。曲調はあくまで明るく、ちょい甘酸っぱく。青春してるぜ~
という感じのメロディライン(その実、地方の営業で苦労してそう)。
でも、キーパ―ソンは、バーズのプロデューサーも手がけていた、ゲーリー・
アッシャーということらしい。
バカラックのカバーも入ったりしているが、このグループと、このアルバムの
存在価値は、冒頭1曲目のタイトル曲『More Today than Yesterday』にあると
いっても過言ではないとオレは思ってしまう。
毎日が新しい1日、すべてが新しい形。ああどんなに君を愛していることか…。
(ハハハ、これは歌詞ですよ)
(ハハハ、これは歌詞ですよ)