RIKI舎―雲とマンサク

写真と音楽と身の回りのことなど(消えたYahooブログ「RIKI舎―陶をめぐる日々」から引っ越してきました)

トゥーツに会いに

 1週間前の8日に、トゥーツ・シールマンス(ハーモニカ)の「スペシャルナイト」、つまり演奏会に行って
 
きた。場所はすみだトリフォニーホール総武線で両国を過ぎたあたりで左側に例の「スカイツリー」に
 
気付く。 初対面なもんで、錦糸町に降り立ってまず撮ってしまった。
 
 錦糸町は三十数年ぶり。一見、ずいぶんオシャレな街になってしまったもんだと思ったけど、実の
 
ところはよく覚えていない。何が何やら。
 
 
 
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 開場前に恥ずかしながらお決まりのポスター撮影。 
 
 
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 客は年配者ばかりかと思っていたら、そうでもなかった。トゥーツは89歳。今年亡くなったお袋と
 
同じだ。いつもCDでは聴いているけど生で聴くのは初めてなんだよな。演奏は大丈夫かなあという
 
思いと、これで最後かもしれないから聴いておかなくちゃという使命感みたいなものと、まあいろいろ
 
抱いて出かけて行ったわけさ。
 
 なにしろあの『真夜中のカーボーイ」、あの映画との出会いもそうだけど、この曲との出会いも大きなもの
 
でしたよ。
 
  
 
 
  作曲者のジョン・バリーは今年の1月末、77歳で亡くなった。「フォロー・ミー」や、ちょっと古いところ
 
では「ボーン・フリー」(野生のエルザ)、「ダンス ウィズ ウルブス」など、印象深い映画音楽をたくさん
 
遺していった(ジョン・バリーについても書きたいことはあるんだけど、こちらはまた後にしておこう)。
 
 
 演奏はとピアノ、ベース、ドラム、それににトゥーツのカルテットで、みんなトゥーツの息子世代。
 
両脇を支えられてゆっくりと登場してきた。演奏はリラックスして、ハートフル、かつ時にはユーモアも
 
まじえたトークもあって(って、よくはわからなかったけど)、会場とコール&レスポンスをしながら日本に
 
きていることを楽しんでいる雰囲気だった。What a Wondeful World とか Somewhere over the Rainbow
 
「枯れ葉」といった親しみやすいいい曲も演奏してくれた。「Midnight Cow Boy」はたしか無伴奏だったな
 
ジーンとしちゃったもんでよく覚えていない)。最後は舞台から投げキッスまでしてくれて、「じいさん、
 
ようがんばるわい」と思った。まさにエンターテイナーという感じだ。スタンディングオベイションのなか、
 
ジイサンは舞台のそでに姿を消した。
 
  
 
  
 おれはこのあとラーメンでも食って帰ろうかと夜の錦糸町を歩いていたら、思わぬ路地に入りこんで
 
しまった。気づけば伊佐山ひろ子似のお姉さんにそでを引っ張られ、声をかけられるという展開さ。
 
飯を食う気もとたんに失せてしまった。トゥーツ・シールマンス伊佐山ひろ子、合うような、合わない
 
ような。何かが意外と近かったりして。よくわからないまま飯も食わずにすたこら帰りましたとさ。
 
 バカラック以来、久しぶりにいい夜だったぜ。家に帰ってきてから食った天ぷらそばは、沁みた。