RIKI舎―雲とマンサク

写真と音楽と身の回りのことなど(消えたYahooブログ「RIKI舎―陶をめぐる日々」から引っ越してきました)

わらの色

  わらを燃やして作った灰から釉薬、「わら灰釉」をつくりますが、この工程がやたら面倒で、説明するのも

ああしんどです(ゆえに省略)。

さらにこのわら灰釉、調製したあとの釉かけの工程も、あきれるほどたいへんです。

なんと言いましょうか、大量の片栗粉と石の粉が水の入った大きなバケツに沈殿していると思ってください。

これを毎回かき混ぜかき混ぜ均一にしてから、素焼きの器にかけていくのですが、何とかやっとかき混ぜ

終わったと思っても、時間が経てばあっという間に沈殿してしまうのです。いったん固く沈殿した日には目も当て

られません。

ましてや冬の寒い時期なら泣きたくなります。使わない時も沈殿して固まるのを怖れ、毎日かき回し

続けます。対策に沈殿防止剤を使えだのロープを入れるといいだのという説もありますが、オレには

どちらもピンときませんでした。体を使ってこまめにかき混ぜ続ける、これがいちばん楽な方法です

(近頃、首・腕・肩・腰が悲鳴をあげていたのはわら灰のせいだったか)。

ものの本にはさらに、「すり混ぜて細かくし過ぎるとわら灰独特の味わいがなくなる」なんてことも書いて

あって、それを信じて粗めの灰で釉薬を作ったら…なんといつぞやの窯では融けきらないぶつぶつが出て

手間ひまかけた作品が大量にダメになってしまいました。 

そうやって、このごろやっと気に入ったわら灰釉に出合えるようになりました。カップは以前から作って

いるオーソドックスな形に落ち着きました(写真には写っていませんがソーサーつき)。結局のところ、

なんでも自分の経験でひとつひとつ答えを見つけていくしかないってことですね。

わら灰釉はなかなか付き合うのがしんどい釉薬ですが、こういう色に出合ってしまうとやっぱりいいなあと

思います。かくしてあっちが痛いこっちが痛いと愚痴りつつ、今日もバケツをかき混ぜている次第です。


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すごく地味だけど、出しゃばりすぎず好きな色です。



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 桜もそろそろ散り始めました。



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 術後の抜糸で、針金1本とり残し事件があったりしましたが、お嬢さんもなんとか通常モードに戻って

きました。

とはいっても、脂肪腫をとったあとにもう新たな脂肪がたまり始めていたり、寝起きに足を引きずるのが

結局治らなかったりと、まあ気になるところは多々あるんですが、本犬が散歩は喜んでいくし、エヘラ

エヘラ笑ってよく食ってよく寝るので、もうそれでいいかと見守っていくことにしました。

年をとるとみんなあちこちガタがきますね、犬も人間も。


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